響介

恋人たちの食卓の響介のレビュー・感想・評価

恋人たちの食卓(1994年製作の映画)
4.0
今まで観た映画の中で一番飯が美味そう。観たら必ずラーメンが食べたくなってしまう映画・伊丹十三『タンポポ』を超えてきた。
そして、三姉妹の恋愛模様と無口で頑固な父親という設定はまさに小津映画(『東京暮色』など)を想起させる。
三姉妹それぞれ個性がよく出ているが、長女のくすぶってる感じに身に覚えがありすぎるし、性格がThe 長女って感じで親近感を覚えた。自分も長男だからすごく分かる。だから、長女に恋人が出来た時は勝手に嬉しい気持ちになった。いつ恋人が出来るかなんて、人生何が起こるかなんて、分かんないよね。なんか元気出た。
終盤、大家族で食卓を囲むシーンの円を描くカメラの動き、素晴らしい。

この映画において、本音を打ち明けたり、結婚や妊娠の報告、など物語のキーとなるシーンはほとんど食卓の中で起こっている。
映画において食卓を囲むシーンって重要だなと改めて思った。

(タイトルに関連したことわざ「飲食男女は人の大欲」は、食欲と性欲は抑える事のできない人間の欲望であるという意味。)
響介

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