ねるねるねるね

キャバレーのねるねるねるねのレビュー・感想・評価

キャバレー(1986年製作の映画)
3.6
酷評が目立つが自分は好きな作品。主演のサックス吹きの野村宏伸はたしかに演技は上手くないし喋りもたどたどしいが、これから何にでもなれる未熟な若者の象徴ともとることができた。また、カットを多用しない、絵画の『ナイトホークス』を意識したかのような画作りも印象に残った。
他にも、日本のガンエフェクトの第一人者でもある納富喜久男による、拝莢式のプロップガンがはじめて使われた作品でもあるので、そういった意味でも重要な一作。わずかな時間ながらも名だたる役者陣をセリフなしで配役できたことも、当時の角川が持っていた“力”を体現しているように思えた。

予告編でも使われたセリフ、「あんた人間じゃないよ!」「俺はやくざなんだよ」を聞くために観るだけでも十分価値がある。