西部劇映画ですが、苦い（苦すぎる）敗北を描いた「青春映画」として
自分は観ました。
無邪気に憧れていた世界に念願叶って入れてもらったものの、
思い描いていた程カッコイイものではなかった。
仕事は地味でしんどいし、周りの年上は皆粗野で愛想も悪い。
乗馬や早撃ちを教えてくれる「シェーン」の兄ちゃんみたいな奴なんか
いやしない。
（唯１人、物静かなルークが見せていた、一応の気遣いが印象的だった）
尚且つこの主人公の少年（今にも泣きだしそうな顔…）が、
気の毒な程役に立てない。
認められようと背伸びをして、大概裏目に出てしまう。
終いには「余計な事すんな」と釘を刺され、すっかりしょげてしまう。
見ていて痛々しいのだが、全く普遍的な「若者」だ。
だからこそ古びる事のない魅力を帯びた、苦いドラマだ。
憧れていたカウボーイ…というより「ヒーロー」への幻想を、
完全に打ち砕くラストも見事でした。
地味ながら、生涯ベスト級にお気に入りの１本です。
