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牝犬の3104のレビュー・感想・評価

牝犬(1951年製作の映画)
3.7
筋といい劇伴といいカメラワークといい、どこかフィルムノワール調。
悲劇の原因はヴァンプ京マチ子ではなく、石部金吉だがオロオロし通しですぐに首を絞めたがる志村喬とそして加東大介。
エミを惑わす楽士は誰だ?と思ったら若き日の根上淳。MAT隊長のイメージ皆無の正統派ストイックイケメンぶり。
久我美子が零落した踊り子に見えないなど、ところどころ愛嬌というかツッコミどころというか綻び(そもそも京マチ子が「牝犬」ではなく、どちらかといえば犬は志村喬だ。その志村の存在/演技も、若干オーバーアクトな京マチ子に押されている)はあるが、総じて力強い筆致でさすがの一本。最後のあの人とあの人の「邂逅」もまたよきかな。
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