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牝犬のchiyoのレビュー・感想・評価

牝犬(1951年製作の映画)
3.5
2023/1/29
大映創立80周年記念企画「Road to the Masterpieces」で鑑賞。エミ演じる京マチ子の初登場シーンのインパクトが絶大で、当時まだ20代とは思えない迫力が凄い。志村喬演じる堀江を手玉に取り、骨抜きにするという設定にも全く違和感がない。その反面、普通の恋愛には不器用で、空回りしてしまう様が何だか可愛い。が、勝手に家に上がり込んでいたり、普通に考えるとストーカーよりも怖いのだけれど(笑)。根上淳演じる白川の登場でエミと堀江の破綻は予想がつくも、まさか堀江がそこまでするとは思わなかった。と同時に、現在の妻子の状況を知り、失うものが何もないとそうなるか、とも思う。ちなみに、タイトルは「牝犬」となっているものの、犬っぽいのはむしろ堀江の方。それでも、このタイトルが妙にしっくりくる。おろおろしっぱなしの志村喬が見もの、エミの兄演じる加東大介も良い。
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