12月11日は女優・加賀まりこ様の74歳のお誕生日です!
おめでとうございます!
"和製ブリジット・バルドー"と称されたまりこ様の魅力は今もなお世代を越えて愛され続けていますが、
同年の中平康監督作品『月曜日のユカ』と並び、篠田正浩監督の本作も間違いなく代表作のひとつ。
和製BBとは云えど、実際彼女の雰囲気はむしろアンナ・カリーナの方が近いかなと常々感じております。
キュートさ全開の『月曜日のユカ』が『女は女である』ならば、ミステリアスなヒロインが魅力的の本作は『気狂いピエロ』かなと。
刑期を終えて出所したばかりのヤクザ村木(池部良)が、賭場で出会った謎の女・冴子(加賀まりこ)とギャンブルという接点のみで男女の微妙な距離を保ってゆく昭和フィルムノワール。
世俗の倦怠から逃れようと常に刺激を求める冴子のコケティッシュな可愛さ。
更に池部良の色気もダダ漏れで半端なくカッコいい男気!
洗練されたカメラワークに乗せて、倦怠感をぶっ飛ばすカーチェイスや賭場の緊張感を内包した世界にゾクゾクさせられっぱなしの傑作であります。
また松竹ヌーヴェルヴァーグのひとつにも挙げられる本作ですが、
このモダニズムの帯び方はフランス映画というよりはむしろ、断然フェリーニやアントニオーニが席巻したイタリア映画からの影響を色濃く受けていると云えます。
オペラをバックに池部良が刺殺しに行く階段シーンは何度観ても鳥肌モノ!
ここにスコセッシ『タクシードライバー』やコッポラ『ゴッドファーザー』が熱烈なオマージュを捧げているのも、本作が単なるヤクザ映画に終わらないことを示してくれているのです。