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婉(えん)という女のyaaaのレビュー・感想・評価

婉(えん)という女(1971年製作の映画)
4.0
笑わせるつもり無いのに生真面目にやればやるほどおもしろいやつ。

お話は少々トリッキーで江戸時代、亡き父の政敵によって40年近く家族で一軒家に軟禁された婉(えん)という女を描く。
家から見える四季折々の表情を変える風景に何かを悟るとか、いつかは外へ出れるという希望を紡ぐ家族愛を描くとかのゆるい所をついてないのがよい。
ふつふつと、グツグツと煮えたぎり湧き出てくる「性欲」。それに身悶えしながら過ごす日々。
それを美しさ全盛期の岩下志麻さんのでずぱりで描く。
「封建社会はクソたれ」みたいなのが根底にあるだろうが、唖然とする志麻さん、汗ばむ志麻さん、 固唾をのむ志麻さん…寸止め焦らしプレイで悶絶するかのごとく色んな表情を楽しめる岩下志麻さんPVみたいな在り様で岩下志麻フェチにはたまらん映画になっている。
すんごい存在感の謎の妹役・楠侑子さん、志麻さんに迫られてたじろぐ緒形拳さん始め名優面々が家の中だけの狭い話なのに次々と入り乱れて飽きさせない。
最後の最後、「極道の妻たち」の原型みたいなロックな志麻さんで締めるのだがその先がもっと観てみたいと思うとともにスパッンと終わるのがカッコよい。
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