矢野竜子

クレールの膝の矢野竜子のレビュー・感想・評価

クレールの膝(1970年製作の映画)
3.8
美麗な景色の中(ロメールはゴーギャン風の色彩を要求したそうな)
描かれる少女の肉体に欲望を抱く中年髭面の実験...
品のある、まごうことなき変態映画で震える。
髭面がいつ少女の膝を触るのかだけで
ある意味サスペンスフルな場面が持続する。
「君は人形なんかじゃない」と最もらしいことを言って
説教しだす終盤は風俗嬢に説教する男と全く変わらず、
どこの国もいつの時代も男は変わっていない気がする。
そしてその時、欲望の顕在化といった感じで
唯一作中で雨が降り雷鳴が轟いている。
同じ内容で少女視点からも作ってもらいたい。