主人公の息子ナガンは、私とほぼ同年代。私が子供の頃の半島は、こんな風だったのか。現代の韓国と比して、隔世の感を押さえられない。
でも、私だって小さい頃、夏はランニングシャツに半ズボンで遊んでいた。Tシャツなんか着ていなかった。この作品に描かれた状況ほどではないにしろ、貧しい中を家族寄り添って生きていたと思う。その時は何とも思わなかったが。
激動の時代のしわ寄せを受けるのは、いつも名もない庶民。しかし、残るのも英雄ではなく庶民。忍耐と笑い、そしていい意味での鈍感さが、庶民の武器である。
それにしても、我が国以上にかの半島は過酷な歴史が多い印象。それだけに、庶民も底力があるのだろう。『宝くじの不時着』を見たときもそうだったが、深刻な状況が背景にあるのに、それを笑いで吹き飛ばすパワーに脱帽。
ラスト近く、新大統領に呼ばれた主人公が唯一示したレジスタンスに拍手❗