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007/死ぬのは奴らだのmasayaanのレビュー・感想・評価

007/死ぬのは奴らだ(1973年製作の映画)
3.0
【続】タランティーノの『ジャッキー・ブラウン』があまりにも面白かったので、70年代のブラックスプロイテーション映画を見てみるプロジェクト、その6。こんなご縁でもなければ一生見ることがなかったであろう、タロットカードとヴードゥーが印象的な007流のブラックスプロイテーションです。NYのハーレム~ニューオーリンズ~カリブ海の島国を舞台に、黒人の犯罪組織と諜報機関との対決を描く。

007自体、初めて見たわけですが、軽くウィキペディア見てたら原作の方が面白そうだなあとか思いつつ(笑)、アメリカのハードボイルド小説なんかと比べても面白いかもな~と思いました。タフな連中につかまっては袋叩きにされ、美女を目の前にしつつも寸止め的な禁欲さを生きるマーロウと比べると、慰安婦のようなブロンドの美女をあてがわれ、120分の中で3人と寝てるジェームズ・ボンドとかいう男は、世の中年男性の願望そのものか。

「原作の方が面白そう」と書いたのは、映画ではボンド側への追い込みが圧倒的に足りないからで、本来であれば片腕・片足を失っている筈のフェリックス・ライターをはじめ、誰もかれもが弛緩した表情を浮かべながら、「どうせあいつ主人公だから死なないし」「わたしお色気要員だから助けてもらえるし」という、最初から分かり切ったルールを隠す努力を(せめてもうちょっと隠すなりすればいいものを)ほとんどしていない。まあ、そういう映画だから別にいいんですけどね・・・。

ポップ・カルチャー・サイト『COMPLEX』が選ぶ、「史上最も素晴らしいブラックスプロイテーション映画ベスト50」、第33位の作品。

http://www.complex.com/pop-culture/2013/07/best-blaxploitation-movies/live-and-let-die
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