うに

Dolls ドールズのうにのレビュー・感想・評価

Dolls ドールズ(2002年製作の映画)
4.4
一番好きな北野武映画。
おそらくたけしの映画で唯一、男女の愛を真正面から描いた映画。

美しすぎる日本の四季の映像と、見せられているのは狂気の沙汰。

衣装も、脱リアリティのデザイナーズ衣装。ランウェイ出來そうなほどお洒落!

決して幸せとは言えない登場人物の洋服の美しさ、圧倒的な映像美と、
現実の残酷さ、、、
この対比と落差があればあるぼど、監督は良いと思ったんだろう。
混沌とした唯一無二の世界観だ。

たけしにとって狂気と愛っていうのは、直ぐ側、もしくは同一なものなのかもしれない。そのメッセージが直球過ぎて、たけし史上最も暴力的だと言えるかも。

ペンダントのシーンは好きで何度も観た。
菅野美穂のにこっと笑ってから泣くとこ、天才。せつない。
西島秀俊と菅野美穂の間の演技が相性良いと思った。また共演して欲しい。

それと
最後の浄瑠璃の人形のアップ、すごく良い。
愛に狂う人間たちの物語を愚かだなと悲しんでるようにも見えるし、驚いてるようにも、怒っているようにも見える。
美しさに感動しているようにも見える。

演じる側の人形が、画面を通してこちらを見ている。
あなたの生き様はいかに?
と問いかけられているようだ。

古典文学の奥深さも感じたし、やっぱり北野武ってすごいな‥と思った。


最近犬の散歩で、犬と胴体をくくりつけるリードを使って歩いているので、この映画のことを思い出して色々と思いを巡らせた次第です‥。
うに

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