お笑いパロディーっぽいタイトル名だったこともあり観ることを躊躇っていた。筒井康隆が原作だったことも途中で知った🤗
かつてTVドラマ版 日本沈没で主役の小野寺さん(カッコよかった)を演じた村野武範さんが日本一の無責任男ばりの首相を演じている。
本作、役者さんの演技、ストーリーや撮り方を あえて雑にしている感があり昭和のドタバタ喜劇映画っぽい雰囲気を大切にしている風に感じられた。これは好みによって評価の採点が大きく分かれるところ。ただし そういった部分を我慢しながら観ていくといつの間にか「日本沈没」のパロディー映画ではなく日本人ってこんな排他的な人種だよなぁという漠然としたイメージを非現実な状況の中で描いた秀作SFと感じ取れる風刺に溢れていることに気付く。
全世界的な恐慌や昨今のウィルス感染拡大を日本以外全部沈没と比喩して描きつつ、その中で国力的にも経済的にも唯一沈まなかった日本列島に救いを求めて群がる大国の首脳陣たちや数億人単位の外国人移民者らが引き起こすであろう数々の問題点を滑稽に炙り出していた。そして問題を解決する答えに辿り着けないジレンマが爆発してこういうエンディングになるのだろう。ここも日本人っぽい。
日本に住みたければ日本人になりきれ！世界中から叩かれそうな表現の羅列ばかりでよくこんな映画が上映できたなぁという感想。ここまで差別問題の毒を吐き続ける日本映画を今まで観たことがない。SF映画としての未来への警鐘と喜劇映画として人間の哀れさまで描き皮肉に満ちていて見事だった。
