菩薩

君は裸足の神を見たかの菩薩のレビュー・感想・評価

君は裸足の神を見たか(1986年製作の映画)
4.0
遅過ぎる青春の過ちへの気付き。内に秘めたる欲望とどうにもならない未来への絶望を目の前の瞳にぶつける茂、それを受け入れてしまう瞳、そんな瞳を純粋に愛する真ニ。親友同士でありながらなにかと対照的な茂と真ニ、結果が出ずとも夢を諦められない茂と小さな結果が出ようと現実を選び取る真ニ、そんな二人の間で行き場を失う瞳。狭い街には情欲に身を任せた故に脳に毒が回った者もいれば、夢を諦め敗残兵となり遂には愛する者にすら裏切られる男もいる、これから大人になりゆく若者達にはそれが未来予想図にすら思える。自分を愛するか他人を愛するか、葛藤を抱えながら徐々に離れていく心と身体と茂と真二、決定的な裏切りな心優しき者を傷付ける。

今平らしいドロドロさ…と言ってしまえばそれきりだが、そこに若き才能の血潮が投入されいい塩梅の化学反応が起きている。なんせ洞口依子が圧倒的、お部屋にお邪魔→SEXへの過程がフィリップ・ガレルばりに早い。正直出川哲郎が一番上手い。古い駅舎でのシーンなんか竜そばの元ネタでは?(たぶん違う)。
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