にゃんこむ

イタリア的、恋愛マニュアルのにゃんこむのレビュー・感想・評価

3.4
知り合いのオススメだったので鑑賞。
イタリア人の恋愛って情熱的なイメージが浮かんでしまいますが、この作品はイタリアに住む人々のちょっと上手く行かない恋愛模様を描いたオムニバス作品です。

オムニバス作品でありながら、一つ一つのエピソードが少しずつ関わっていて、大きな流れになっているのが面白い。

エピソード1
○失業中で恋人も居ない若い男性は、偶然知り合った女性に一目ぼれをしてしまう。拒否されてしまうも猛烈なアタックを重ねて……

女性側からすると、男性から熱烈なアタックを受けるなんて、ロマンチックな話ではあるけれど、女にうつつを抜かす前に定職につけー!と言いたくなるようなお話でした。

エピソード2
○倦怠期の夫婦のお話。夫は出不精で妻は活発な人間。妻が何かに誘っても、夫は行こうとしない。破局秒読みかに思えた夫婦だったが……

倦怠期って難しい。この夫婦のように、一度溝が出来てしまうとそれを埋めるのって時間が経過するごとにどんどん大変になってしまう……。ラストは雨降って地固まる的な終り方でほっとしました。

エピソード3
○夫の浮気を知った婦人警官は家を出た。イライラは収まらず、交通違反の過剰な取締りを行いストレス解消をしていたが、あまりにもやりすぎてしまったため裁判沙汰に発展するが……。

一番印象に残っているエピソード。
浮気されて失意のどん底の婦人警官が、ヒステリックに交通違反を取り締まる姿はコミカルなんですが、ちょっと気持ちがわかる(汗)
全世界が敵だ!!!っていうくらい周囲に負のオーラを撒き散らしていた彼女がどう立ち直るのか見ものです。
個人的には、この夫婦しょーもないなーと思いつつ一番現実的な気がしました。

エピソード4
○妻に逃げられた小児科医の男性は、自暴自棄になり職場の若い女性に手を出そうとして痛い目にあったり、散々な目に合っていた。自分はもうダメだと思ったところに……。

これもエピソード3に似ている気がします。
失意のどん底。人生おしまいだ!と思っていたところに降ってくる恋。
この小児科医の男性は冴えないオジサンなのですが、何となく憎めないところがあるのが良かったです。
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