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可愛い花のodyssのレビュー・感想・評価

可愛い花(1959年製作の映画)
3.0
【50分だけど悪くない出来】

BS録画にて。

双子の歌手として長らく人気を集めたザ・ピーナッツの、今風に言えばプロモーション・ヴィデオ。全国デビュー年に公開されていますから。
モノクロ、シネマスコープ・サイズ。時間は50分と短めだけど、物語の起承転結はしっかりとできています。

物語は、ケストナー『二人のロッテ』、或いは日本の少女マンガで言えば北島洋子の『ふたりのエリカ』ですかね。両親の離婚で別々に育てられていた双子の少女が、ともに歌手志望だったためにオーディションの場で出会い・・・。

しかし双子もさることながら、それを囲む人々の物語が映画チックだけれどそれなりに巧みにできているところが、この映画の成功の理由でしょう。特にレコード会社のディレクターとして新しい才能を発掘する仕事に携わっていながら、実際にはさっぱりという役の岡田眞澄がいい。彼の妻(白木マリ)は私立探偵事務所勤務の腕利きの探偵で、それなりに収入がある。つまり、女性上位。

他方、双子の母は化粧品会社を経営していて裕福。別れて暮らしている父は昔は名のある歌手だったけれど、今は尾羽打ち枯らし・・・。つまりこちらも女性上位。

二組の女性上位カップルがどうなるかが見もの。

他に、後に平尾昌晃の名で作曲家としても活躍する平尾昌章が出ています。
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