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戦争のない20日間のGTのレビュー・感想・評価

戦争のない20日間(1976年製作の映画)
4.2
題名の通り、戦争中の休暇で起こった出来事を描く映画。
映画全体を通して退廃的かつ虚無的な雰囲気が充満している。機関車が大きな唸りを上げて蒸気を噴出させるタイトルバックからして既に不吉で、今が戦争中であるという緊張感をこれでもかと主張ししてくる。タシケントは道の塗装も済んでいないほどの田舎であり、そこに建てられた家々も崩れかかった廃墟のよう。多くの場合薄暗く霧がかかっていたりあるいはほぼ見えないくらい真っ暗だったりと、その雰囲気は『イレイザーヘッド』すら連想してしまう。
戦争の休暇ということもあり直接的な描写はあまり無いながら、随所に戦争の匂いが散りばめられ暗い影を落としている。主人公もどこかアンニュイな雰囲気を始終放っており、「戦争の匂い」だけで戦争の悲惨さや残忍さを伝えることに成功している。
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