ちくわ

男はつらいよ ぼくの伯父さんのちくわのレビュー・感想・評価

4.3
色恋にうつつを抜かした浪人生のバイク旅とかどう考えても正しくない行い、それを肯定してくれる叔父さん(寅さん)が理想的な叔父さん像として出来上がり過ぎている。柴又の人たちもそれなりに満男を迎え入れていたけど、あんな全てを肯定してくれるの寅さんくらいだった。

この作品からシリーズの終焉に向かい始める気配が漂っていて、電話越しの楽しそうな柴又の人たちの声を聞いて一人寂しそうに黄昏る寅さんのとこで少しうぅ…ってなった。失恋ではなく孤独からくる寂しさはなかなかくるものがある。男はつらいよの心地よさの正体は、この寅さんの寂しさを映した終盤とその余韻にあるのではなかろうか。

それにしても、今回のマドンナがバイクで事故った満男を助けた単車乗りのオカマのおっさんだったのが斬新だった。
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