ひろ

トランスアメリカのひろのレビュー・感想・評価

トランスアメリカ(2005年製作の映画)
5.0
映画初監督となるダンカン・タッカー監督・脚本による2005年のアメリカ映画

主人公ブリーを演じたフェリシティ・ハフマンは、ゴールデングローブ賞主演女優賞など数々の賞を受賞した

日本でも知られるようになった性同一性障害。男性の自分に違和感を抱き、肉体的にも女性になろうとする主人公ブリー。本当の父親を知らないまま、ドラッグや売春に手を染める息子のトビー。そんな2人が、アメリカ横断の旅に出る。

女性になりたいブリーが父親という責任から息子と旅をして、少しずつ息子を理解し、父性か母性的なものが芽生えていく。

父親と暮らしたいというトビーに自分が男だということと父親であることを隠したまま旅をするのは面白い。笑えて、切なくて感動もある作品を作った監督は初監督なのにすごいね

女性になる前の性同一性障害の男性というかなり難しい役を演じたフェリシティ・ハフマン。「デスパレードな妻たち」などドラマで有名な女優だが、この難役を演じたことで映画でも知られる存在になった。
アカデミー賞でも主演女優賞にノミネートされたけど、受賞はならず。同じ年のアカデミー賞で性を扱った「ブロークバック・マウンテン」も話題になったし、セクシャルなテーマは賞を貰いづらいってのもあったかもね

作品内では本当に男か女か分からない雰囲気で、体は男でありながら心は女である不自然さを完璧に演じてて、久しぶりに演技に感動した。

俳優って役柄を自然な感じで演じようとするものだから、不自然さを出しながら自然に演じるってのは本当にすごい。なんでオスカー獲れなかったか謎

トビー役のケヴィン・ゼガーズは“リヴァー・フェニックスの再来”と言われてる若手俳優。まだそんなにヒット作に恵まれてないけど、イケメンだし演技もいいから、これから楽しみな俳優だね

いつもフランス映画とか好きって言ってるけど、なんだかんだでアメリカ映画も好き。アメリカ映画の何が好きっていったらハリウッド大作映画とかよりロード・ムービーが好きだ。

広大なアメリカの大地を旅してるのを観てると、擬似旅行気分を味わえるし、なんか心が洗われる気がする。

ロード・ムービーにも色々あるけど、どんなジャンルでもそんなに外れがない気がする。

笑えて感動できて、演技に圧倒されるロード・ムービー。
お薦めです
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