1997年、南極はドームふじ基地。標高3800m、平均気温は-54℃。動物はおろか細菌すら存在しない極寒地。寒いし、何もないし、家族と離れて寂しいし、水さえ自由に使えないから一刻も早く帰りたい。でも”美味しいものを食べると元気が出るよね”という映画。
我々は1年に1人で1トンもの量を飲み食いしているらしいが、そこで育てられるのはかいわれ、もやしくらい。食糧は持ってきたものに限られる。水は85℃で沸騰してしまうため、麺類は茹でても芯が残ってしまう等、調理には工夫も必要だ。そうした条件の中、堺雅人演じる西村は、他の7人の隊員のために料理を振舞う。豚汁とおにぎり、伊勢海老を使ったエビフライ(「俺たち気持ちは完全にエビフライだからね」)、フレンチ、朝食のカニ、そしてベーキングパウダーから作るラーメン。
今見るとキャストはかなり豪華。在りし日の神田沙也加も。遊園地のフードコートで堺雅人がハンバーガーを頬張る姿には後のマクドナルドすら想起され、感慨も深い。
随分前に、この映画のモデルにもなっている西村さんのお店に行ったことがあるが、また行ってみようと思った。
