けーすけ

南極料理人のけーすけのレビュー・感想・評価

南極料理人(2009年製作の映画)
3.8
1997年。南極大陸のドームふじ基地に第38次南極地域観測隊として派遣された8名。そのうちの1人である西村(堺雅人)の主な任務は備蓄食料を使い、生活を共にする8名分の料理を作る事であった。





10年位前に観た記憶はあったけど、どんなだったけかな?と思ったらアマプラにあったので鑑賞。

基地は極寒の地にあり、標高は富士山より高い場所。自然環境下では動物はおろか、ウイルスさえも存在できないような過酷な場所で観測を行う隊員の日々を、主に料理を通じて描いております。



実質閉鎖された環境下に男が8人。家族や恋人に連絡を取るのにも1分で740円も電話代がかかるという不便さ。プライバシーもほぼ無いような状況で、徐々にギスギスしはじめる隊員たち・・・。

そんなストレスを緩和するのが食であり、西村が日々苦心して料理を作る姿が描かれます。
現地の標高の高さから水の沸点は85度、普通に料理するだけではとても美味しいものは簡単に作れないであろう中、缶詰や冷凍食材を使って色んな料理を作るのは大変だろうな、と。


食映画というと観ていて「美味しそう!食べたい」ってなる事が多いかと思いますが、個人的には「どんな味なんだろう」の方が上回ったかなあ。

食材に伊勢海老が見つかり、本当は刺身にしたかった西村だけど、他隊員のリクエストにより巨大エビフライになったシーンは最高にシュールで笑えます(結局味は不評だった笑)。

とはいえ分厚いステーキ肉や、工夫して作ったラーメンは食べてみたい料理でしたね。



全体的にほのぼのした作りで安心して観られる映画ですが、今このタイミングで観直して、コロナ禍における食生活の楽しみ的な部分に通じるな、とも感じたところ。

どんな状況下においても食は人間の生きる根源であり、そこに楽しみを見出すのだろうなあ。


しかし、(今の基地の通信環境は不明ですが)ネットも通じない、映画もおそらくDVD等でしか見られない環境で1年以上過ごす、僕には無理そうだ・・・。



堺雅人はハズレ無しでいい味出してるのと(料理映画だけに)、遠距離で徐々に彼女と疎遠になっていく兄やんを演じた高良健吾が可愛かったです。



memo
原作者である西村淳へのインタビュー
http://kai-hokkaido.com/kitanomeijin015/


2021/02/28(日) Amazonプライムビデオにて鑑賞。
[2021-024]
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