たてぃ

9000マイルの約束のたてぃのレビュー・感想・評価

9000マイルの約束(2001年製作の映画)
4.2
ドイツ軍兵士が第二次世界大戦後、シベリアの収容所から脱走して家族の待つドイツへ向かう話。

9000マイルって、約14,500キロ…東京-大阪が片道500キロとすると14.5往復ですか…しかも極寒のシベリア(「アラスカへ逃げようとしたって今はアメリカと引き渡し条約あるからね(ニッコリ)」とソ連の収容所の人が言うくらいアラスカに近いソ連領)から徒歩で横断するという想像を絶する過酷な逃走…その逃走中に指名手配されてるので町にも行けず、そしてもちろん追っ手が迫ってくるわけですし(収容所の所長は彼一人を追うだけで何年やっとんねん。暇過ぎだろwwwというツッコミは置いといて)。そんな逃走中にもいろんな人との出会いがあり、助けてくれる人はもちろん、利用する人、裏切る人など様々です(個人的には犬との出会いと別れはもう目から汗が出ました…)。


個人的に印象に残ったシーンは…

1)収容所から脱走する際にドイツ人医師から「逃走中は話す機会がなくなる。そうなると声帯を失う。だから、何でもいいから‘木'に話しかけろ」とアドバイスを送る。そして、脱走後…そこには木も生えない極寒の土地だった…(木なんてねーじゃねーかよおおおと叫びたくなったのは自分だけ?)

2)ドイツ軍捕虜がシベリアの収容所へ列車で送られ、そして収容所でのソ連兵によるドイツ軍捕虜への扱いの光景。まさにナチス親衛隊SSがユダヤ人に対して行った行為と同じじゃねーか…と思いました…

3)作品を観終わった後に監督のインタビューを観ましたが、この作品はロシアが舞台であり、ソ連兵も登場するのでロシア政府の検閲もあったとのこと。その際に言われたことが…「もっとソ連兵を極悪に描いてよ」…スターリン時代のことを否定したいんでしょうかね…(カティンの森事件も「あれってスターリンのせいだから」と言いきっちゃうロシアですから…)
たてぃ

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