janoskaxu

飼育のjanoskaxuのレビュー・感想・評価

飼育(1961年製作の映画)
3.4
大江健三郎の芥川賞受賞作を映画にした作品。第二次世界大戦末期の田舎の村で怪我をした黒人兵士(捕虜)の世話を村全体で世話をする話。 
戦争当時の日本の村社会における人間関係や思想等の自己中さは日本特有の性質を表現している。古いフィルムの中では村人の感情がリアルに描かれている。
時代の変化と共に、日本人の社会性などは協調性や正義感や人としてもモラルなど、よい方向へと変わってはきていると思うが、現代の情報化社会において、根深いところでの個人的攻撃が絶えない世の中になっている。平和とは何かを考えさせられる作品。私が産まれる前の作品で、製作から60年前も経って観たので、評価は高いと感じた。製作当時に、鑑賞していたら、また村社会の密な環境下で生活をした経験があったら、また違った感想を持ったと思う。本も読んでみたくなった。
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