半兵衛

憲兵とバラバラ死美人の半兵衛のレビュー・感想・評価

憲兵とバラバラ死美人(1957年製作の映画)
2.2
タイトルこそいかにも扇情的で好事家を刺激するものだけれど、実際には憲兵が軍隊絡みの殺人事件を捜査していく様を淡々と描いた地味すぎるミステリー作品。主役の憲兵を演じる中山昭二の演技が淡白すぎてオーラがないのも致命的、若杉嘉津子演じる女性とのいちゃつきも別にいらないような。

お話自体も軍部と憲兵の複雑な関係は興味深いけれど、特に盛り上がることはないので見ていてだれてくる。ただ死体の異臭に対するリアルな反応や死体が入っていた井戸の水を部下に飲ませる虐めはインパクト大。

捜査の過程を丁寧に描いている割に肝心のところを霊が教えてくれるというトンデモ展開にするのはどうかと思ってしまうが、原作の話がそうなっているようなのでしょうがないか。

井戸に放り込まれた女性を殺した容疑で捕まり拷問を受ける天知茂は後年の色悪演技を彷彿とさせるが、出番はほんの少し。
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