はじめ

ムカデ人間2のはじめのネタバレレビュー・内容・結末

ムカデ人間2(2011年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

ずっと痛めつけられてきたことへの反抗と抵抗、最大の自己実現としてのムカデ人間制作。
前作のハイター博士がずっと優位な立場にいる支配者だとしたら、今作の主人公はその逆だった。幼いころから父親に性暴力、虐待され本人によるものか、周囲によってか、お縄になってからも主人公の傷は癒えないどころか母親によって精神的虐待をされ続ける。話さないのは緘黙の状態なんじゃないかと思う。同時に、おそらく父親が捕まったからこそ生活が苦しくなって母親の虐待が強まったような感じもして、全体に閉塞感がただよっていた。

作中では徹底して「男らしさ」「支配」があるように思った。主人公を診ている医者は父親と同類であることが察せられるし、母親にも「父のように男らしく!」と言われているし。そこに出てくるのがフィクション作品としての『ムカデ人間』で、「支配」の象徴的に扱われ、主人公の父、ハイター博士、「男らしさ・支配」というイメージが積み重なっていく。
主人公がムカデ人間に執着しているのには、虐待の影響、支配への欲望、現在の自分からの脱却、興味・好奇心とかいろいろなものが混ざっているように感じる。

描かれている中身は好きなものなのに、なぜかムカデ人間1ほどには刺さらなかった。模倣された欲望でしかないからかもしれない。あとシンプルに主人公家族を取り巻く環境が厳しすぎるので、暴力とグロに気持ちが入っていけなかった。
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