一人旅

コルチャック先生の一人旅のレビュー・感想・評価

コルチャック先生(1990年製作の映画)
4.0
アンジェイ・ワイダ監督作。

ユダヤ人孤児を救うため奮闘したポーランドの実在の人物、コルチャック医師の生涯を描くドラマ。

子どもたちを救いだすという確固たる決意が、コルチャック医師の数々の言動や行動の中に見て取れる。
ポーランド国外に脱出するよう説得してきた知り合いの女性に対し、激昂するコルチャック医師。もちろん女性に悪意などある筈もない。コルチャック医師の身の安全を考えたら、国外脱出は当然の選択肢だ。
しかし、コルチャック医師は頑なに拒否する。
コルチャック医師にとって、子どもたちを置いて、自分だけが国外へ脱出するという選択は有り得ないのだ。長い付き合いである女性がそのような提案をしてきたことに失望さえしてしまうコルチャック医師の姿が印象的だ。結局、女性はコルチャック医師の真意を汲み取れていなかったのだ。

ラストシーンがあまりに切なく、哀しい。
ワイダ監督からの救済と希望のメッセージが込められているようだった。
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