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コルチャック先生のv3のレビュー・感想・評価

コルチャック先生(1990年製作の映画)
5.0
この1ヶ月間コルチャックの著書や伝記を読み続けたおかげで知識があったため映像に集中できた。本当に美しかった。
去った後のポットから出ている湯気が印象的だった。200人の子供たちと先生方の、突撃された感覚がよく表現されていたと思う。
他の戦争映画で描かれる血まみれの戦争とは少し異なるけど、実際に生きていた彼らが日々体験し闘っていた食糧難やナチに脅かされる日常の描写はゲットーでの生活の勉強になった。
そして何よりもコルチャックの親心を彼の日記とは異なる形で感じることができた。映画の一部では1人の孤児に焦点を当てて、どのように彼を成長させることができたのか、日記を読むと一通り書いてはあるけど映像だとよりリアルに感じられる。コルチャックが大切にしていた「子供と大人は同じ人間」であることや「大人が手を出しすぎない教育」、「子供の(特に死の)権利」…。
民主主義的環境の孤児院で育てた教え子たちが苦労している序盤の様子もあるが、証言を読むとコルチャックの教えには苦労したが良い人間になることができたと言っていて、子供を教育するということは成功する大人を育てるのではなく、困難を乗り越えたり心の平穏を持つことができる大人に教育することの大切さとその大変さが分かりました…

ナチが撮影した当時の映像がショックすぎて、もしドキュメンタリーがあるならぜひ見たいと思った。
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