mh

コルチャック先生のmhのネタバレレビュー・内容・結末

コルチャック先生(1990年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

どうしても見たくてビデオデッキを引っ張り出した。
十年以上ぶりに動くことを確認すると、渋谷TSUTAYAでVHSを借りてきた。
コルチャック先生は「ユダヤ人を救った動物園」「UPRISING アップライジング」にも脇役として登場している。
いずれの映画でも出演時間はわずかなのに強烈な印象を残してたので、本家といっても差し支えないこの映画が見たくてしかたなかったのだった。

さて、念願の「コルチャック先生」だが、優しいというよりも頑迷固陋だった。子どもを優先するあまり、大人に厳しい。あなただけでもにげてという支援者に向かって激おこする。「でもありがとう」みたいなことはいっさいいわない。偏屈だなぁとか思いつつも、夢中になって見た。
人造的なドラマチックさもなく、たんたんと話は進んでいく。
直接的な描写を押さえているぶん、現実に起きている残酷さが浮き彫りになっている。
「UPRISING アップライジング」に登場した映画監督フリッツ・ヒップラーらしき撮影クルーの姿もあった。
説明的なプロット、セリフが少ないので、「UPRISING アップライジング」を見て細部を補完するのがいいかもしれない。
白黒なので古い映画と思いきや1990年制作と割と最近。この映画が特別表彰を受けた第43回カンヌ国際映画祭でなにがパルムドールかというとデビットリンチの「ワイルドアットハート」だった。
どんな終わり方をするのかとそれがいちばん気になってたんですけど、これがもう、ほんとやばかった。いやまじすごかったんですけどこれ。どうなってんのおれの語彙力。

なんで、こんな名作が視聴困難になってるのかほんと解せない。
機会あったら絶対見た方がいいホロコーストもののマスターピースでした。

余談
「聖なる嘘つき」のラストはこれやりたかったのかと腑に落ちた。
mh

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