滝和也

夫たち、妻たちの滝和也のレビュー・感想・評価

夫たち、妻たち(1992年製作の映画)
3.5
ニューヨーク
インテリ
富裕層
夫婦、恋愛、結婚
離婚、別離、復縁

男と女は永遠の謎
だから…永遠のテーマ

「夫たち、妻たち」

いつものウディ・アレン(笑)冒頭のコピーに入れた内容がウッディ映画の構成要素であり、まぁ…それしか無い場合が多いか(笑)あとはユダヤ人蔑視からの自虐的ジョークとか。基本ニューヨーク、マンハッタンに住むインテリ富裕層の老いも若きも恋愛や夫婦事情をどう描くかだから。

今作は二組の親友同士の夫婦の片方が、子離れからパートナー解消を言い出し…それに影響されるもう一組をドキュメンタリー的なインタビューを組み合わせながら描く作品に仕上がっている。

ウディらしい女性への畏怖が入り込んだキャラクターは見ていて恐ろしいがリアル…。また男性は自虐的に描かれ、愚かで物悲しい…。ドキュメンタリー的な方式が功を奏し、他作品より真面目かつ見やすくわかりやすい。いつもながら故にストーリーの先は読みやすく、まぁそうなるだろうねと…(笑)ただそのリアリティある人間臭いキャラ造形が見事でラストまで見て行けた。

その地味ながら強烈なキャラクターは実際の伴侶だったミア・ファローが演じており、実際こんな感じなんじゃないのかと思わせる辺りもアレン流の映画と言う皮肉にみえてくる…。この作品で別れたらしいのも更に…。ゲスの勘ぐりか…。

ウディ・アレンの作品と言うのは一見高尚な人々の高尚な会話劇に見えて、その本性、人間の根本的な性癖から逃げられない故にクソ低俗であり、本質だと言わんばかりの内容で皮肉が効いている。実はこの話も…だからどうした?と興味無い方からは言われるはずですからね(笑)
滝和也

滝和也