Arara

初恋のきた道のAraraのレビュー・感想・評価

初恋のきた道(1999年製作の映画)
3.8
亡くなった人が辿った道をちゃんと帰れるよう、遺体を車ではなく皆で運ぶって、素敵なしきたりだなぁと思った。

お母さんがそのしきたりにこだわる理由も、お父さんが亡くなって学校の前から一歩も動かない理由も、寝ずに布を織る理由も、全て過去の思い出からで、そこにもジーンと来てしまった。

こんな田舎の村だと、先生って井戸汲みに行かせるわけにはいかないほど尊敬される職業だし、そんな先生に恋する娘を思っての一見冷たいお婆さんの態度だが、実際は一番に娘を思っているのも素敵だった。

出てくるご飯全て美味しそうだったし、お茶碗重ねてスカーフで包む方法可愛かった。

お父さんが亡くなって悲しみに暮れた現代がモノクロで、過去の懐かしい日々が光で満ちているのも素敵な演出だった。

こんな村だと純愛ってあっただろうな、と思ったし、最後も含め、お母さんは幸せな人生だったろうな、と思った。
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