ちいさな泥棒

透視人間のちいさな泥棒のレビュー・感想・評価

透視人間(1935年製作の映画)
4.3
主人公であるクロード・レインズの名前がなぜここのキャストに記載されてないのか知りたい!

『幻しの合唱』では甥の婚約者に恋するアヘン中毒のキモキモ聖職者、『情熱なき犯罪』ではどうしようもないヘタレを演じていたけど、今回はウソの読心術を仕事にしていたが、ある女性とチャンネルが合ってしまったがために本当に透視ができるようになっちゃった男を好演していた。毎度毎度、眉をひそめた難しい顔が似合う。

(ダグラス・モンゴメリー観たさに『幻しの合唱』を何度も見返してるうちに平気になったというか、むしろ出てると観たくなっちゃうくらいになったけど、はじめましての役柄が濃すぎたせいか「なんだこのキモいおっさんは…🤮」すぎてほんとに生理的にムリでした。ほんとに、顔見るだけでダメでした笑)

だけど一番恐ろしいのは集団バッシングと集団心理。透視、予言の内容によってはバッシングを食らわせたり、かと思えば英雄扱いしたりする群衆の心理がなにより怖かった。

"未来"というどうにも確認する術のない出来事。回避してもしなくても責められたり…目の前にあるものが真実だとつい思ってしまい責めたり持ち上げたりと、人間てどこまでも虚しくて忙しい。そんな時こそもう少し相手や出来事に対して冷静になる目と心、判断力と想像力が大事だと思わされる。