⭐︎京マチコの魅力が光る、脚本のミステリーな面白さと華やかで豪華で幻想的な世界観を堪能できる、上質な銀幕作品。
⭐︎黒蜥蜴のスタイルが美しいに尽きる。特に着物の着こなしはモダンでカッコいい。日本離れした容姿にメイク、黒い光沢帯に黒草履に白い反物や宝石のコントラスト、ロングドレスにグローブもおしゃれで洗練されている。拳銃が不思議なほど映える。
⭐︎愛か使命かという、相反するものの間で葛藤するそれぞれのキャラクターの心情が魅力的に描かれている。
⭐︎ジャズバンドに合わせた歌やBGMは60年代らしさあって、映画をよりドラマティックに見せている。序盤の高級キャバレーのようなシーンからアジトのシーンなど今見るとミュージカルにしてはチープな部分もあるが、当時は斬新だったのではと感じた。
⭐︎男役に変装するシーンの、ダンスが切れ味あってスタイリッシュで、急に宝塚になる。
⭐︎ヘリコプターや船のシーンが明らかに模型で、動きも安っぽいのが興ざめしてしまう。
⭐︎生々しい描写もあり。人間の剥製や、縛ったソファへのキスシーン、トランクなどゾッとする演出だった。
⭐︎宝石屋のお父さんの、欲にまみれた笑い方やキャラクターが気持ち悪い。
⭐︎近未来的喫茶店やホテル、東京タワーやモダン建築の屋敷など、ロケーションも見応えがある。
