エイプリル

ゴシカのエイプリルのネタバレレビュー・内容・結末

ゴシカ(2003年製作の映画)
2.2

このレビューはネタバレを含みます

いきなり精神病院に入れられた主人公が四苦八苦するホラー映画で、確かに「自分はまともだと思っているのに周りが取り合ってくれない」ことの恐怖感はしっかり描写されていました。
精神疾患に関する映画にありがちな、精神疾患の症状はこんなに怖いんだよ、みたいな演出は比較的控えめで、そこは良かったです。
始まり方といい、殺人事件が起きていることといい、ミステリ的な雰囲気を醸し出しているのですが、主人公が事件解決にあんまり自発的に動き出さないこと、それからマジもんの幽霊が出てくるということで、ミステリを期待していると肩透かしです。この幽霊、実は主人公の幻覚だった…とかじゃなくて本当のやつです。この幽霊の存在が最後の最後まで事件解決までの道筋をぼんやりさせてるというか、なんかデウスエクス・マキナ的に使われているせいで、話自体が荒唐無稽になってしまっており、個人的にはちょっと退屈な映画でした。ぼんやりしてるといえば、結局主人公が記憶喪失になった理由も精神病棟に来ることになるまでの経緯もふわっとしてて、なんというか…全てがぼんやりな映画です。
主人公に事件を解決するつもりはあるっぽいんですが、口でそう言いつつも割と行動が場当たり的で、「事件の謎を探る」よりも「病院から逃げ出す」パートの方が多く、せっかく病院を出て家に帰ってきてもホラー系ウォーキングシミュレータのようにフラフラ彷徨うばっかりで全然真相に至るまでの推理も捜索もしないので、まあ、ホラー的といえばホラー的でいいんですが、始まる時に感じた不穏な雰囲気から想像してた展開にならず、ちょっと残念な作品に思えました。
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