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海燕ジョーの奇跡のyaaaのレビュー・感想・評価

海燕ジョーの奇跡(1984年製作の映画)
4.0
情熱の旅路日本~フィリピン3000キロ!!
人々のやさしさふれて青年は大きく成長する。
旅人・時任三郎。みたいな作品。

本来は。
沖縄。フィリピンと日本のハーフ・ジョーは所属する組が解散の日、弟分を敵対する組員に惨殺される。復讐に燃えるジョーは敵対する組組長を至近距離で射殺。すぐさま旧知の元革命運動家の案内のもと、漁船で台湾へ。そこから現地の船に乗り継ぎフィリピンへ密入国する。フィリピンで闇社会を牛耳る日本人・与那嶺のもとで日本を捨て新たに生きていく…みたいなハードボイルド話なんだが、パキさんが監督するとふんわり青春映画になっちゃう。

田中邦衛、三船敏郎、そしてアウトローといったらこの人原田芳雄が要所要所で物語を引き締める。

ほんとは殺人犯なのに熱い青年の成長譚にみえてしまう演出の妙。
松田優作、深作欣二での映画化も企画されていた本作。

沖縄、フィリピンスラムなど裏路地的ロケは気合はいってます。

ラストは展開速いというか、雑というか。ニューシネマといったらこの終わりみたいな感じは観る人選ぶかも。

併走する車から運転する役者を撮り、そのまま併走しながらギューンと顔に接近(ズームアップでなく)するカットで思わず「エマニュエル・ルベツキかよ!」と言いたくなる鈴木達夫のカメラが時折凄い。
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