浅野公喜

シー・ノー・イーヴル 肉鉤のいけにえの浅野公喜のレビュー・感想・評価

3.5
WWEのスターで現在はテネシー州ノックス郡郡長を務め政治家としても活動するケインことグレン・ジェイコブスが殺人鬼として大暴れするスラッシャーホラー。

廃ホテルの清掃という更生プログラムに参加した不良達が彼に襲われる・・というストーリーでその体格を活かしたパワー系豪快殺人が期待されたものの、犠牲者は意外と少ない上に目を引きちぎったり壁に叩きつける事は有っても副題の「鉤」はあまり使わなかったり頭を潰したり体を引き裂いたりバラバラにする事は無く、終盤には2000年代らしいCGが多用とやや拍子抜けする部分も。また、ケインを宣伝したい為か彼の顔をやたらよく映したり、彼自身も演技に対し照れが有るのかふとした瞬間に普通の人間っぽい表情を見せたりと怖さや狂気が半減している印象。


大排気量の速そうなアメ車がすぐ燃費切れで止まった的不満も有りますがテンポは良く頼りになりそうな人物が早々と退場したり、逆さ吊りで血が垂れたことで犬に食われたりガラケーを口に突っ込まされたりと割とユニークな殺人が用意され、殺人鬼の正体やある人物との関係もこの手の作品にありがちながら丁寧に描かれているので(それ故に殺人鬼に同情してしまうのでやはり不良達にはもっと容赦無く惨殺して欲しかった所ですが)まあまあ満足です。
浅野公喜

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