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ストーカーのTaTのレビュー・感想・評価

ストーカー(1979年製作の映画)
5.0
「ゾーン」
そこは固定観念を捨てて、自分の本性と向き合う場所。「堅さと強さは死の仲間だ」と「ストーカー」は言う。常に柔軟に受け入れろということなのか。

道中描かれる「作家」と「教授」の対比。「作家」は「科学は惰性の象徴で芸術を創造することが人間の存在意義」と語る。これはタルコフスキーの考えなのかなと思う。科学に対する嫌悪は「サクリファイス」でも語られているし、今作でも「教授」は爆弾でゾーンの破壊を試みる。証明、解明できないものを畏怖し、破壊しようとする科学の軽薄さを語っているように見えた。

この映画は超自然的な物をメタファーとした人間の思考への挑戦状なのかな。それにしても退廃美は素晴らしい。
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