RyoOda

ストーカーのRyoOdaのレビュー・感想・評価

ストーカー(1979年製作の映画)
3.8
信仰とは何か問う映画だと思う。

彼の前作「惑星〜」の約半分というカット数を誇る長回しや、クローズアップされても分からないよ…と独りごちるしかない、謎深く象徴的な静物のクローズアップ、派手な効果の徹底的排除など、思わず舟を漕ぐ事は避けがたいストーリー展開である。が、その撮影技法こそが、信仰という彼の作品のメインテーマから、場面設定のために用意されたSF要素という贅肉を剥ぎ取るもっとも大事な手段なんだろう。
それまで難解だったタルコフスキーのメッセージが突然わかりやすくなるラストシーンは、「最後まで見てくれて、おおきに」みたいなサービス精神も感じる。(それならもっとわかりやすくしてよ)

乾燥室と肉挽き機、砂丘と井戸、教授をワープさせたワームホールなどは論じる必要があるんだろうな

オースターの小説みたいに、哲学的メッセージを保ちながらエンタメ性を持った作品を作ることもできるとは思うけどな…

ひさしぶりに、繰り返し見て、まとまった文章で議論をしてみたいな、と思うような映画でした。
RyoOda

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