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トウキョウソナタのrのレビュー・感想・評価

トウキョウソナタ(2008年製作の映画)
3.8
ある普通の家庭。ひとりひとりの抱える事によってバラバラと欠けていく怖さを面白く描いていてゆった〜りと流れていくのだけど、目が離せなかった。小泉今日子さんのシーンシーンの目の表情がすべてを伝えていて、それを誰も正面から受け止めようとしていなかった。(見ていたのは私たち鑑賞者だけ。)
海で一夜を明けた後の荷が降りた表情や、ラスト健二がピアノを弾く姿を初めて見たときの表情。小泉さんの演じる母としての立ち位置、動きが印象的だった。この作品を見て映像を通して誰もが目にするのが役者の目だと改めて思った。もちろん声の表情もこの作品の所々で感じたが目の表情の伝わり方は強い。自分の今の目線を意識しながら、逆に目の表情で感情は伝わってしまうから殺しつつも、過ごしていきたい。
別々だった家族が健二の音によってキュッとなった気がする。その姿をみる母と父の気持ち、考えるだけで涙がでそう。けっきょく家族はかぞく。何があっても家に戻ってくる。共に食事をする。流れる音をききながらわたしは揺れるカーテンをずっと見ていた。そこにカーテンがあって良かったと思う。
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