カタパルトスープレックス

渦のカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

(2000年製作の映画)
3.3
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の不思議な感じの初期作品です。ちょっとアートフィルムっぽい。

大女優の娘で25歳の若きアパレル起業家ビビアン(マリ・ジョゼ・クローズ)だが、事業はうまく行っていないし自堕落な生活を送っている。ある晩、ビビアンは不注意運転で男を轢き逃げしてしまう。その男は死んでしまうのだが、それがきっかけで人生が思わぬ方向へ……という話です。

魚が死のモチーフになっています。その魚が物語を語る。なんか不思議な感じ。要所となる場面に水や魚が出てくる。ボクが苦手とする芸術映画っぽくはあるのだけれど、後半の展開は嫌いじゃない。ああ、なるほど。これは再生の話なのかとわかる。ただ、前半はちょっと退屈。

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は『メッセージ』(2016年)も好きだし、一般的には評判の悪い『ブレードランナー 2049』(2017年)も嫌いじゃない。っていうか好き。これから公開予定の『DUNE/デューン 砂の惑星』だって期待している。不思議な雰囲気を持っていても、根っこはエンターテイメントな人だと思うんですよね。本作は習作っぽい部分はありますが、そんなヴィルヌーヴ監督のエンターテイメントの根っこの部分が後半に確認できたのがよかったです。