こつぶライダー

ペイ・フォワード 可能の王国のこつぶライダーのレビュー・感想・評価

3.8
1→3→9→27→∞

自分が受けた恩を違う3人へ渡していくバトン形式の善行式なアイディアが全米に拡散していく様を描くヒューマン・ドラマ。

『シックス・センス』で一躍有名になった天才子役ハーレイ・ジョエル・オスメントを主演に、ケビン・スペイシー、ヘレン・ハントらが連ねる。

主要人物は主に上記3名。
中学一年生のトレヴァー。
アルコール依存症に悩むシングルマザー、アーリーン。
社会科教師でトレヴァーに課題を科すシモネット。
基本的にこの3人のドラマであるが、トレヴァーが発案したペイ・フォワードのアイディアが拡がっていく様も描かれ、ミニマムからマキシマムな世界への広がりも感じられる。

ドラマとしてはありきたりではあるが、過去に苦しむ大人を見事に表現した2人の演技があるので飽きを感じさせない。
一見地味に感じて、パワーを秘めている隠れた名作だと思う。

やはりオスメントの演技は他に類を見ないほど洗練されたものがある。センスの塊だ。あまりにも自然過ぎて、涙が流れ出るのを止められなかった。

監督のミミ・レダーは『ディープ・インパクト』で売れた女性監督。『ER緊急救命室』も手掛けており、人間ドラマの細部にこだわりを持っている監督という印象を受けた。

家族間のトラブルの解決までの流れを魅せるのは上手かったんだけど、もっとお母さんの内面にフォーカス当ててあげても良かったのかなと思った。

あとはラストね…賛否両論でしょう。
どうしても、お涙頂戴感が強まってしまって。。。

終わりよければすべてよし、の逆な作品。
こつぶライダー

こつぶライダー