クソみたいな世界を変えたいと願い、行動した少年の話。
『ペイ・フォワード』を訳すなら「恩送り」となるだろうか。
「恩を次に返す」ことを広げることで世の中を良くしようとした少年と、周りの大人たちの話です。
良くも悪くも絶妙な映画だと思う。
善なるものを信じつつもホントに上手くいかないし、
そもそも自分自身も変わらないといけない、というのはすごく大事なことで。
そのジレンマこそがこの映画の核心じゃないかと思う。
また、善き事の連鎖で負の連鎖を止められるのか、というあたりも、
ちょっとやり過ぎな気もするけどわかる気もする。
とはいえ、『ペイ・フォワード』の行為の極端さにワクワクさせつつも、大人の事情を恋物語に集約させていく感じが、なんか違うものを観ているような感覚になってしまった。
けれども、ラスト含めて、上手くいきすぎると嘘くさくなるのもわかる。
せめてその辺のトーンが揃っていれば、という気持ちだった。
それでも、大切なことはきちんと伝わってくる映画です。