映画大好きザウルスくん

レジョネア 戦場の狼たちの映画大好きザウルスくんのレビュー・感想・評価

レジョネア 戦場の狼たち(1998年製作の映画)
3.0
訓練兵×ヴァン・ダム!

負けるように命令された八百長ボクシングの試合に勝利してしまったヴァンダムは、マフィアから逃れるべくフランス外人部隊「レジョネア」に入隊し過酷な訓練と実戦の日々に明け暮れるのだった…という冒頭以外ほぼ全てが正統派な戦争アクション映画。よくよく考えてみるとスタローンやシュワ、ドルフらと違ってヴァンダム主演の普通の戦争アクション映画はあまりない(『ユニソル』はSF戦争アクション映画)ので結構貴重な1作だったかもしれません。

しかし、他の筋肉アクション俳優達の作品と違って本作は1人無双ものではなく上官がいて、訓練させられて、仲間と友情を育んで、戦死する姿を見届けるという、訓練兵ものとしてかなり正統派な戦争アクション映画に仕上がっていました。監督は『ランボー3』を撮ったピーター・マクドナルドで、言われてみれば砂地が舞台で、ターバンを付けた兵士が馬に乗って突撃してくる絵面なんかは戦争アクション映画の中でも『ランボー3』を彷彿とさせます。

1番の見せ場である戦場での大銃撃戦は結構見応えあったし、景気良く大爆発も起きるし、3人の戦友の死に方がそれぞれ異なっていて差別化が図れていたりして、この監督やっぱ絵面としてはちゃんとカッコ良くて漢の心をくすぐるものを作ってくれるなと感心しました。メイキングを見る限りあまりお金を掛けられなかったらしいのですが、それをカバーするためにも戦闘のメイン舞台を広いフィールドではなく狭い谷や軍の拠点地に絞っていたのもグッドな工夫だったと思います👍

となると、やはりマイナスになるのはストーリー面ですかね(笑)。まず冒頭で離れ離れになったヒロインとは、戦地から帰還した後に再会する展開があるのかなと思いきや結局再会せずに終了。そもそも危ない街に彼女を1人置き去りにして逃避行してる時点でどれだけ戦地でいい人ムーブされても今回のヴァンダムを善人として見ることは難しくなりますよね…。戦地では上官がめちゃ弱かったり、冒頭の八百長試合の相手がヴァンダムを追って入隊して来たり、そいつとはいつの間にか戦友みたいになってたり、どう考えても失敗する作戦がまんまと失敗したり、最後はヴァンダムが敵軍に認められて生かしてもらえたり、なんだかなぁ…な展開のオンパレード。描きたい絵面だけ頭にあって、その場面に行き着くように後からストーリーを考えたのが見え見えでしたね。

それでも僕的には楽しかった気持ちの方が強いので皆さんにもオススメしたいところではあります!ちなみに木曜洋画劇場のCMでは「スーパーヴァンダミングアクション行くぜ!」なんて言われてましたけどむしろ逆で、今回は開脚キックなどの華麗なヴァンダム殺法は封印していました(鍛え上げられた背筋と見事なプリケツはいつも通り見せてくれましたけども…笑)。