ドナウ

楢山節考のドナウのネタバレレビュー・内容・結末

楢山節考(1983年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ヘビはネズミを喰らい、時にその身を差し出す。そんなイメージ映像がこの村で行われてきた悲しい風習のそれと重なる。ネズミ子が増えれば糧は減る、いくら煮ても豆は増えない、食べる物がなければ弱い者から減らしていかなければならず、子供は売られ、間引かれ、親は山へ捨てられる。そして、食糧を盗む者たちも。まるで現世から隔離されたような雪に閉ざされた寒村、神の住まう楢山、この土地に暮らす人々は弱い者を背負う優しさと、降ろす非情さがなくては生きてはいけない。どれ程厳しい環境にありながらも、生(食)への執着と旺盛な性欲があるからこそ途切れることなく生命の環が続いてきたのでしょう。

生物の営みや暗喩的な挿入がいいですね。残酷ですが生物の普遍的な日常だと思いました。利吉の臭いはどういうことだったのか…それと人々が暮らす土地と神の住む場所という舞台は神々の深き欲望と同じなのは連作みたいな感じなのでしょうか。
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