ダイナ

座頭市のダイナのレビュー・感想・評価

座頭市(2003年製作の映画)
3.4
みんな鬼つよいジジイ好きでしょ。そんなあなたに座頭市。

北野武が座頭市シリーズを大胆アレンジ。この時代に金髪?タップダンス?冷静に考えないで身を任せるのが吉。たけし座頭市の代名詞とも言える有名なタップダンスシーンは楽しさが溢れんばかり。また日常風景にリズムに乗らせてくる演出を取り入れており、テンポの良い鍬入れシーンなんかは地味な風景と小気味いいリズム感にダンサーインザダークのミュージカル部分を彷彿とさせられたり。なんといってもたけし演じる市の立ち振る舞いの凄み、作品群からスーツのイメージが強いたけしが着物を羽織り目を閉じた姿のオーラはもう近づいただけでぶった斬られそうな威圧感。空也上人立像の殺意を高めたかのようなその姿、刃のスピード然り断罪の精神然りシビれるしかない!

脇役も敏腕バイプレイヤー連ねており、ストーリーは明快な人情と復讐活劇モノでとっつきやすい。しかし、たけしと一緒の画面にいる脇役達は魅力的に見えるものの脇役単体のシーンは少し退屈で乱暴な話ずっとたけしを映していて欲しいという気持ち。そして特殊効果が今見ると少しチャチく感じてしまう面も。北野映画特有の現代舞台における寂寥とした情緒が恋しい。
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