馮美梅

1900年の馮美梅のレビュー・感想・評価

1900年(1976年製作の映画)
5.0
今はなき、阪急プラザで初鑑賞。(その後フェスティバルホールなど行く度か劇場で鑑賞)日本公開当時、1日に2回上映、それはこの作品が長尺だから(笑)そして1部と2部に分かれていて、途休憩があって、劇場でお弁当が売られたりしていたのが印象的でした。

この作品はアメリカで短いバージョンが公開されていた(ハリウッドサイドから言われ)が、日本公開の折、念願の通常版として公開されることになったんです。

1900年の同じ日に生まれたアルフレードは大地主の息子として、オルモは小作人の息子として生まれる。立場は違えど、同じ時間を共有しながら成長する2人。そこにはその当時のイタリアの世相も相交じり2人の人生も翻弄されていく。

とにかく、登場人物が魅力的。アルフレードにはロバート・デ・ニーロ、オルモにはジェラール・ド・パルデュー。私的にはデ・ニーロよりもドパルデューの演技に惚れました(笑)

女性陣特にドミニク・サンダは美しく、ステファニア・サンドレッリの力強さも魅力的だったし、忘れてはならないのはドナルド・サザーランド演じるアッチラとラウラ・ベッティ演じるレジーナの極悪非道なカップル。イタリアのファシズムを体現したような2人の怪演はお見事でした。

大地主と小作人、どちらが幸せなのか?
2人の主人公が生まれてきた境遇、そして時代に流され、抗い、諦め、いろんな経験をしながら辿りつく末を描く大抒情詩。

エンリオ・モリコーネの音楽も最高でのちにアルバムも購入するくらい好きです。これぞ映画の醍醐味を味わえる作品の1つ。この時からベルトルッチ監督を意識して好きになりましたね。(でも実は監督作品はそれ以前に観ていたということを後々知ったのです)
馮美梅

馮美梅