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パーマーの危機脱出のHKのレビュー・感想・評価

パーマーの危機脱出(1966年製作の映画)
3.5
「真っ赤なマントをひるがえし~♪」はパーマーじゃなくてパーマン。
しかも古い方・・・失礼しました。

本作はサラリーマン・スパイのハリー・パーマーが地味に活躍するシリーズ第2弾。
パーマー役はもちろん黒縁メガネのマイケル・ケイン。
1作目と同じくレン・デイトンの小説が原作、原題は“Funeral in Berlin”(ベルリンの葬送)。
しかしこの邦題…
『007危機一発』はのちに原題通りの『ロシアより愛をこめて』に改題されましたが、本作はそのまま。

舞台は1作目のロンドンから東西冷戦下のベルリンへ。
ストーリーはかなりややこしく、パーマーらイギリス諜報局(M15)とKGB、イスラエル情報機関の三つ巴の攻防の中でちょっと迷子になりそうに・・・

前作に続き上司のロス大佐や同局員のチコ、アリスなど同じ顔ぶれも登場。
ケインの相変わらず飄々としたシニカルなパーマー役は前作より馴染んできた感じ。
いつもやる気が無さそうで、休日出勤に不服顔のケインが笑えます。
そして見た目は対極のジェームズ・ボンドとの唯一の共通点は、やっぱり女好き。
ケインの場合、見るからにインテリ・スケベと言った感じでしょうか。

途中、ロシアの大佐の亡命を偽装するため棺桶に入れて霊柩車で橋を渡るシーンがありますが、どこかで見覚えのある大きな橋だと思ったら、スピルバーグの『ブリッジ・オブ・スパイ』でスパイの交換が行われた橋。グリーニッケ橋という有名な橋だとか。

そして本作も1作目と同じく007シリーズの主要スタッフが関わっています。
製作はハリー・サルツマン。
監督は007常連のガイ・ハミルトン。ケインとは後の『空軍大戦略』でも一緒でした。
編集もやはり常連のピーター・ハントですが、音楽は今回ジョン・バリーからコンラッド・エルファース(誰?)にバトンタッチ。
また、豪快なロシアのストック大佐を演じたオスカー・ホモルカは本家の『ロシアより愛をこめて』にも出演歴あり。

本作は『サンダーボール作戦』と『007は二度死ぬ』の間の年に公開されています。
正直、飛びぬけて面白いとは全然思いませんが、妙に気になるシリーズです。
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