ジョン・ウェインによるベトナム戦争を肯定するプロパガンダ映画。
戦争映画がプロパガンダの要素を含んでいること自体は普通のことではあるが、この映画はプロパガンダとしてもやや苦しい、自分たちが主張する言説を100％肯定する力強さが感じられない単なる反戦運動への言い訳映画になってしまっている。
そんな言い訳感が漂う映画だけに作品の作りもぬるいというか様々な配慮の結果すべてが無味乾燥なダラダラしたシーンが長時間続く。
そもそも60歳を超えるジョン・ウェインが特殊部隊の最前線で活躍するという所からもう苦しいものを感じる。
戦争に懐疑的だったジャーナリストが軍に同行し戦地を見たことによって考えを改め軍隊に志願するなんて展開は、現実の世界でその後ソンミ村虐殺事件などの米軍の蛮行がジャーナリストによって報じられていくことを思うと皮肉に思える。
