桃

レネットとミラベル/四つの冒険の桃のネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

初ロメール鑑賞。

正義感が強く、ピュアで絵描きを目指すレネットと、
リアリストで弱い立場の人を放っておけないミラベル、
若い女の子が2人出逢って、フランスを舞台に価値観を語り合ったり、大人や社会と対峙したりするオムニバス4話。

<青の時間>
<カフェのボーイ>
<物乞い、万引、ペテン師>
<絵の販売>

1話目の青の時間で、フランスの片田舎の町で2人は出逢う。
朝のほんの一瞬、朝日が登る前の青みがかった、全ての生き物が眠り、静寂が訪れる時間。
その時間を共有したいレネットだが、残念にもその瞬間に車が通りかかり、静寂が壊されてしまう。
ヒステリックになりながら、自然の大事なひと時を邪魔されたと泣き出すレネット。
若干引きながら、もう一泊するからとなだめるミラベル。
不思議な距離感が詰まっていく2人。

2話目では、無銭飲食が許せず、翌日に小銭をもっていくレネット。

3話目の物乞い、万引、ペテン師では、万引きを助けるミラベルに、道徳に反すると猛攻撃するレネット。

価値観の異なる2人、4話目では上手く画廊で交渉出来ないレネットを助けるミラベル。

どちらが正解とかでなく、タイプが違うお互いを、時に助けながら、時には対話しながら、パリの街で大人になる過程を淡々と描かれる。

個人的には各話の、テーブルでのシーンが毎度お洒落ですき。
桃