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タクシードライバーのcookieのネタバレレビュー・内容・結末

タクシードライバー(1976年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

「ジョーカー」の後に鑑賞。
オマージュと言われる所以がよくわかった。あのポーズ、精神的問題(本作では戦争体験によるPTSD)、孤独、大きな事をしでかす前の武装...

フィジカルトレーニングに励むストイックな姿とは対照的な、鏡に向かっての「You talkin’ to me?」。悦に入った様子が滑稽に映る。哀愁も漂う印象的なシーン。

あの乗客は監督が演じていたのか!

ベテランドライバーに悩みを打ち明けることは、トラヴィスにとっては思い切った行動だったが、却って失望してしまう。
弾むSPとの会話には、関心を寄せられたい欲求が見える。怪しい人物として写真に収められてしまうけれど。

事件現場からカメラがゆっくりとズームアウトしてゆき、次々と集まってくる人々や不安に包まれた街を映し出す。やはり不穏なラスト。
...と思いきや、続きがあった。だからこそ、作品に深みや余韻が増した。

ラストは現実か、妄想か。
12歳の少女のああいう生活に誰も手を差し伸べようとしない中、トラヴィスが救ったのは良い事だとしても、無罪放免になるだろうか?
現実にしても、彼をヒーロー化する風潮には危うさがある。
どちらにせよ、悪い方に転ばなかった安堵感の一方で、他人に無関心な都会に善人と狂人 表裏一体の人物(特別な人とは限らない)が潜んでいるという点で、嫌な予感を残していた。

武正晴監督の「銃」も本作に影響を受けているのだと、今さらながら感じた。

ジョディ・フォスターを見ていたら、大人びた演技が印象的だった「ダウンタウン物語」(何かと二本立て)を思い出した。
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