踝踵

タクシードライバーの踝踵のネタバレレビュー・内容・結末

タクシードライバー(1976年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

観る順番が完全に前後してしまったが、JOKERの影響元?なのか。ロバートデニーロ繋がりもそういうことなのかな。
いわゆる「無敵の人」のシンデレラストーリーが共通点。

主人公は軍を退役した若いタクシードライバーで、貧乏で冴えなくて生活はクソで女にモテない。国のために働いたのに戦争が終われば掃き溜めみたいな都市でカスみたいな扱いを受ける。そして大統領選挙立候補の美人スタッフのベティにフラれて銃を四丁買う。そのように社会的な弱者でありつつ彼女がいない寂しさからあてつけのような復讐を計画する。

ここまではおおまかな心理描写の持って行き方はジョーカーとの共通点が多かったが、どうしてもジョーカーと比べて足りないと感じる部分に目が行ってしまった。ざっくり下記のような事が挙げられる。

①タクシードライバーは、パートナーがいれば解決した可能性が高そう。より尊厳をくじゃぐしゃにされる描写の多いジョーカーの方が深刻に見え、心が抉られた。

②大統領候補を暗殺し損ねた描写はリアルかもしれないけど…ここまでの振りを利かせない事にどんな意図があるんだろうか…嘘くさくても振り切っているジョーカーの方が爽快に見えちゃう…


もしも下記が意図したものであれば非常に後味の悪い演出として成功している…のか?
❶殺人を犯した事より、アイリスを解放した事が社会的に賞賛されるとはとても思えないこと。そこで急にリアリティが無いのは意図しているのだろうか。

❷事件の後にベティが雌の顔になっている事。一発かましたら全ての評価がひっくり返る描写は安直すぎないか。もしかしてラストは妄想の話?両者を映したカットでの会話がない事や車内で風が吹いている事から非現実感はあるが、ちゃんとベティを車から降ろしているんだよね…

大統領候補を殺す気満々だったのに目的を「失敗しちゃった」から、作り手として❶❷をどう見せたがっているのかよく分からなくなった。もしも大統領候補も殺したのであれば、❶❷を「狂気の描写」として受け取れるけど、このように感じてしまう僕の感性は安直なのだろうか?

古い映画だからか、現代の価値観とのズレがあるからのか、それとも読み取りが足りないだけなのか、ピンとこなかった。
ただ、モヒカン+サングラスは最高に不気味でテンション上がった。

(アルパチーノとごっちゃにしてた…笑指摘どうもです)
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