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タクシードライバーのakiyoshiのネタバレレビュー・内容・結末

タクシードライバー(1976年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

すごくイヤな映画。自意識がどんどん肥大化していって政治家の護衛気取りをしたり、とうとう暗殺未遂しかけたり、娼婦の女の子に説教をしたり、病的な思いつめ方がなんともリアルで怖い。メンタルの状態が悪い時に見ないほうがいいかなあ。
結局、娼婦の子を救って英雄になれたことで憑き物がおちて救われる彼ですが、これまた不気味でイヤな終わり方。実際に銃を持って、エゴと虚栄心のまま人殺しをして、それで救われるのがあまりにイヤ。また世間から忘れ去られたら同じこと繰り返しそうです。パラノイア的な思考がかなり丁寧・主観的に描かれていて、社会で若者の陥りやすい窮状とコンボで、視聴者をかなり追い詰めてしまうように思う。救いのある終わり方にするにも、映画的にはスケールが小さくなるが、もっと素朴な出来事で、あるいはつまらない出来事でトラビスがある種の満足に至ったほうがよかったんじゃないかとか思います。
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